日常英会話

 初学者は最初から高望みしません。せめて日常会話くらいはできるようになりたいと思うものです。ただ「日常会話」のレベルがどの程度であるのかを明確に認識できている人は少ないはずです。「海外旅行や海外生活で特段の支障が生じない」、「ビジネスレベルには及ばない」といった漠としたイメージを持たれている方がほとんどでしょう。具体的には挨拶や自己紹介、天気の話題、ショッピング、レストラン、ホテル、交通、好み、依頼に関するお決まりの表現を挙げることができます。

 数値化すると、TOEICスコアへの換算で600点前後に相当します。必要な単語数は2000語とされていますから、誰でも時間を割けば到達可能なレベルです。いえ、中学卒業レベルに該当しますから、義務教育を受けた皆さんは既にこのレベルに達しています。しかし実際には多くの成人が話せません。何故でしょうか。簡単な話です。知っている知識を使いこなせていないのです。要は慣れていないだけなのに、何もインプットされていないと思い込んでいるのです。

 日常会話レベルの上にはビジネスレベルが存在します。ビジネスの世界では専門用語を駆使するだけでなく、表現が丁寧で、短縮形やスラングはあまり使いません。裏を返せば、日常会話はシンプルな言い方を恥ずかしがらずに用いてよいのです。シンプルに話せば要点が伝わりやすいですし、既に言及した「英語のロジック」とも符合しているため、ネイティブに汲み取ってもらえる確率は高まります。3語や5語で話すことは恥ずかしいことではありません。

 日常会話にも中身以外のコツがあります。とにかく挨拶を疎かにしてはいけません。また、ゆっくりはっきり話すことが肝要です。挨拶表現は頻度が高く、挨拶から会話の幅が広がります。会話の時間が長くなると、英語はより上達しやすくなります。またゆっくり話すことで、ネイティブは何とか聴き取ってあげようと、構えてくれます。